左官は建築業界において特異な存在かもしれません。
現在の建築業界はシステム化が進み、多くの作業はルーティン化されています。「人」は図面や書類の指示通りに作業することが中心となっています。しかし、「左官」の仕事を情報化し、マニュアルを作るのは非常に困難であったため、現在でも職人の経験と勘に頼る部分が多い仕事といえます。
「人」が情報や生産システムの従者とならず、自らが考え、自らがつくる。仕事の責任も他人やのせいには出来ませんが、ものづくりの楽しさを毎日味わえる仕事であり、「人」に喜んでもらえることを自分自身で実感できる貴重な仕事であると思います。
自ら考え、自ら行動し、自分が生み出したものを届けていく。
左官職人に備わるその姿勢は21世紀の社会において非常に重要な資質になると考えます。